2020年1月18日土曜日

Mac 接続ポート別の外付け SSD の速度性能を検証







iMac 2019 の接続ポートは次の 3つがあります(カッコ内は最大転送性能)。






  • Thunderbolt 3( 40 Gbps)

  • USB3.1 Gen2( 10 Gbps)

  • USB3.1 Gen1 (    5 Gbps)--- 従来の規格では USB3.0 のことです。








一時代前には FireWire というポートもありましたが、我が家では検証できませんので上記の 3つのポートに接続した場合の速度性能実測結果を示してみたいと思います。







より効果がでる 外付け起動ディスクとして利用する前提 です。









1.検証に用いた Mac: iMac 2019(Mojave 10.14.6)



  この Mac の場合は Thunderbolt 3 ポートが USB3.1 Gen2 も兼ねています。



  接続機器・ケーブルによって Thunderbolt 3 接続か、USB3.1 Gen2 かが決まります。









2.検証に用いた SSD: WD Black SN750 500 GB



  M.2 PCIe3.0x4 NVMe SSD です。



  この SSD の仕様上の性能値は、最大で次の性能値となっています。



   Sequential Read : 3470 MB/s

   Sequential Write: 2600 MB/s

   Random Read : 420 K-IOPS

   Random Write : 380 K-IOPS





  この性能値は PC や Mac の PCIe スロットに差し込んだ場合で、

  今回は外付けケースに搭載して検証しますので、最大性能でも

  上記性能の 80 〜 90 % 程度になります。











3.検証に用いたケース



    Thunderbolt 3 用ケース: TREBLEET(Trebleet 製)



    USB 接続用ケース   : GWM.2NVMe-U3.1AC(玄人志向製)





  いずれのケースの場合も WD Black SN750 500 GB を載せ替えて実測しました。













性能実測結果は次のようになりました。







1.Thunderbolt 3 接続



















  APFS 形式でフォーマットした場合の実測値です。



  HFS+ 形式でフォーマットの場合は Random Read / Write が APFS 形式の

  ほぼ 2 倍の性能になります。



  APFS は総合的には勝るかも知れませんが Random Read / Write 性能を考えると

  HFS+ で使用の方が効果が高い 。











2.USB3.1 Gen2 接続























 3.USB3.1 Gen1 接続

























シーケンシャル性能は 1 > 2 > 3 です。





ランダム性能は 1 > 3 > 2 で、USB3.1 Gen2 よりも USB3.1 Gen1 の方が勝っています。











通常使用では ランダム性能の方が効いてきますので、体感的には USB3.1 Gen1 の方が速く感じられるでしょう。







起動ディスクにした場合は、ブートタイムはランダム性能のいい方が数秒〜10秒程度速い。











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番外編で SATA SSD の場合も実測してみましょう。







SATA は最大転送性能が 6 Gbpsです。





USB3.1 Gen2 は 10 Gbps の転送性能ですが SATA の転送性能以上にはなりません。



USB3.1 Gen1 は   5 Gbps の転送性能なので、この転送性能以上にはなりません。











SSD は SanDisk SDSSDH3-500G-G25 を ineo のケース C2561c に装着して実測します。





この SSD の性能値は次のとおりです。



  Sequential Read:560 MB/s

  Sequential Write:530 MB/s





外付けでの使用ですから、PC や Mac の SATA スロット差し込みに比して 80 〜 90 % 程度の性能値になります。





ファイルシステムは HFS+ 形式です。







(1)USB3.1 Gen2 接続時の性能実測値



















(2)USB3.1 Gen1 接続時の性能実測値

























SATA SSD の場合も Sequential R/W は USB3.1 Gen2 の方が性能はいいですが、Random R/W は USB3.1 Gen1 の方が勝っています。







やはり、体感的な性能と、起動ディスクにした場合のブートタイムは Random R/W で勝る USB3.1 Gen1 の方がいい、という状況です。























これらの結果からは、USB3.0 系は USB3.1 Gen1 でよい、ということになります。









また、USB3.1 Gen1 ならばより安価で済む SATA SSD で十分ですし、その場合ケースも SATA SSD 用の安価なもので済みます。









M.2 NVMe SSD を USB3.1 Gen2 対応のケースに入れて使っても Sequential Read / Write は速くなるものの、Random Read / Write は USB3.1 Gen1 の方がより高速です。







体感的な速度やブートタイムの速さ、メモリスワップ発生時の速さは Random Read / Write 性能に依存しますから、高価格の USB3.1 Gen2 対応ケースは必要ない、ということになります。







USB3.1 Gen2 ケースが必要なければそのケースに入れる M.2 NVMe も SSD が過剰性能なだけで、総合的な性能向上には結びつきません。





USB3.1 Gen2 に見合う、レーン数が半分の M.2 PCIe3.0x2 NVMe SSD の場合はどうなのかは現物を持ち合わせていませんので未検証です。















Thunderbolt 3 が使える場合は、Thunderbolt 3 対応ケースに M.2 PCIe3.0x4 NVMe SSD を装着して Thunderbolt 3 ポート接続すると爆速、ということになります。















【 結論 : SSD と接続形態(含ケース)に関する組み合わせ 】





■ Thunderbolt 3 + M.2 NVMe SSD



  爆速になる





■ USB3.1 Gen2 + M.2 NVMe SSD



  投資コストに見合う性能にはならない





■ USB3.1 Gen1 + SATA SSD



  対 HDD/ Fusion Drive では高速化効果あり

















HDD モデルや Fusion Drive の Mac の場合は確実に速くなると思いますから、外付け SSD を起動ディスクにすることをおすすめします。







Fusion Drive でも内蔵された SSD の容量を越えると HDD 速度になってしまいますから、SSD が安くなってきた今は SSD にする方がストレスレスになります。















外付けならば「改造不要」ですからリスクレス、Apple 保証もそのまま継続になり、起動ディスクにするためのインストールもさほど難しくはありません。




















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