2019年10月14日月曜日

LinkStation LS-AV1.0TL/A を復活させる

LS-AVL のディスクが壊れたときや、ディスクを 2 TB に増量交換したり、SSD などに換装する場合に、元のディスクから復旧できない場合に新しいディスクで復活させる手順です。



「ls-avl」の画像検索結果



必要なら元ディスクのデータを、復旧した後でコピーして戻します。







LS210D を元の Linkstation に戻す:当初のやり方のやり直しで ➡ OK【記事訂正あり】」と同じ手順で、次のようになります。



「クロスインストール」方式といいます。



ローダーやインストーラー、ルート展開用ファイル群の塊を用意したディスクに別マシンで設定し、このディスクを本体に装着することでインスタールさせるやり方です。







1.準 備

  ❏ ディスク:中古でも新品でも構いません

  ❏ SATA=USB 変換ケーブルを用意します

    3.5" HDD の場合は変換ケーブルに電源をつなぐ必要があるかも知れませんので

    電源ケーブル付きを用意した方がいいでしょう。

    2.5" HDD や SSD は電源は不要かも知れません。

  ❏ Linux が動作するサーバーまたは PC が必要です

2.ディスクのパーティション設定と、フォーマット

3.ファームウェアのダウンロードと解凍、initrd.buffalo / uImage.buffalo の抽出

4.ディスクへのこれらのファイルの書き込み

5.本体に装着してインストール

6.ファームウェアアップデート適用









もう一つ別の方法「tftp 方式(とでもいいましょうか)」もあります。



tftp サーバーに関連ファイルを置いて、これを NAS 側から取りに来させるやり方です。



こちらの方が少し難易度が高いので、今回は割愛します。




LS210D を元の Linkstation に戻す」にこの方式のやり方を記載しています。













【1.準 備】





用意したディスクを Linux 機(私の場合は元が LS210D の Debian Serverを使用)に SATA=USB ケーブルで接続します。



Linux 機にファイルマネージャーがインストールされていると起動されるかも知れません。



この場合は、「ファイルマネージャーで開きますか?」と聞いてくるので [キャンセル] します。



また、このメッセージが出る場合はすでにディスクがマウントされていますから、パーティションを設定するのでアンマウントします。



いずれにしてもマウントの有無は df コマンドで確認できます。



linux 機は sdaX(X: 1, 2, 3 ...)というデバイス名になっていて、接続したディスクは sdbX というようになっているはずです(linux 機に複数のディスクが元々マウントされている場合は sdcX とか sddX とか、a, b, c, d の記号の一番あとのものが今回接続したディスクデバイス名です)。





以下は、sdbX であったとして進めます。



df コマンドでこの sdbX がマウントされていなければ fdisk -l でデバイス名は確認できます。











【2.ディスクのパーティション設定と、フォーマット】





すべての sdbX がアンマウント状態を確認して、fdisk /dev/sdb としてパーティションを設定していきます。





root@debian:/# fdisk /dev/sdb



Welcome to fdisk (util-linux 2.29.2).

Changes will remain in memory only, until you decide to write them.

Be careful before using the write command.





Command (m for help):





すでにパーティションがあった場合はすべて消し、改めて切り直しします。



消す場合は d でパーティション番号を聞いてきますから [return キー] で一番最後から順にパーティションが削除されます。



Command (m for help): d



先頭パーティションまで削除して、g を入力します(gpt)。





続いて、n と入力し、パーティション1から順に作成します。







:: パーティションは次の大きさで確保し、タイプを変更します

::(この例では 2.5" HDD 500GB を使用した)

::

:: sdb1 = 最初 〜 +1GB  ➡ /boot

:: sdb2 = 続き 〜 +5GB  ➡ /(root)

:: sdb3 = 続き 〜 +384KB  ➡ swap

:: sdb4 = 続き 〜 +1KB  ➡ sdb6 をデータパーティションにするための調整みたい

:: sdb5 = 続き 〜 +1GB  ➡ ( 同  上 )

:: sdb6 = 続き 〜 残りすべて➡ データパーティション

::

:: タイプは、sdb3 のみ BIOS boot (タイプ番号:4)

:: 残りはすべて Microsoft basic data (タイプ番号:11)

::

:: パーティションサイズとタイプは、LS210D でのものとほぼ同じ設定です

:: バッファローの LinkStation は原則的にどの機種もこの設定みたいです(未確認)

::

:: コマンド (m でヘルプ)   ➡ 対象のパーティションを指定してタイプ番号を与えます



領域サイズは、上の例のとおりで結構です(およそ、数値があっていれば結構です)。



設定したパーティション情報は次のようになっているはずです。

fdisk モードのコマンド p で確認します。



Command (m for help): p

Disk /dev/sdb: 465.8 GiB, 500107862016 bytes, 976773168 sectors

Units: sectors of 1 * 512 = 512 bytes

Sector size (logical/physical): 512 bytes / 4096 bytes

I/O size (minimum/optimal): 4096 bytes / 4096 bytes

Disklabel type: gpt

Disk identifier: 999AC944-78E7-46C9-99AF-5071F068DC80



Device        Start       End   Sectors   Size Type

/dev/sdb1      2048   1955839   1953792   954M Microsoft basic data

/dev/sdb2   1955840  11720703   9764864   4.7G Microsoft basic data

/dev/sdb3  11720704  11721453       750   375K BIOS boot

/dev/sdb4  11722752  11722753         2     1K Microsoft basic data

/dev/sdb5  11724800  13678591   1953792   954M Microsoft basic data

/dev/sdb6  13678592 976773134 963094543 459.2G Microsoft basic data



Command (m for help): w  ➡ 設定を反映させて fdisk を終了します





パーティション設定は fdisk ではなく parted コマンドでも結構ですが、私は fdisk を使っています。





パーティション1と2と6を ext3 形式でフォーマットします。



root@debian:/# mke2fs -I 128 -j /dev/sdb1

root@debian:/# mke2fs -j /dev/sdb2

root@debian:/# mke2fs -j /dev/sdb6



※ パーティション6もここでフォーマットしておきます

  ファームウェア適用時にフォーマット、またはセットアップ後に

  改めてフォーマットしますが、後者が必要な場合、ここでフォーマット

  しておかないと「完全フォーマット」しなくてはならず、その場合は

  気の遠くなるような時間がかかってしまいます

※ 最終的にはパーティション6は xfs 形式になりますが、ここで xfs 形式に

  すると、セットアップ後のフォーマット必要時になぜかうまくフォーマット

  されません











【3.ファームウェアのダウンロードと解凍】





バッファローの当該機種の最新ファームウェアをダウンロードします。



本記事掲載時点の最新は 1.74 です。



(Windows 用と Mac 用は少し中の作りが、あとで記載の部分が違うようです)







バッファローの示す解凍方法で解凍します。





以下は Mac での事例ですが、一部を除いて Windows でも同じです。



解凍すると、「update.app(Windows 用は LSUpdater.exe ?)」と「data ディレクトリ」ができます。



data ディレクトリの中の initrd.img / uImage.img をさらに解凍しますが、これは次のようにします。



拡張子を .img から .zip に変えてこれを解凍しますと、パスワードを聞かれますので、次のどれかを入力すると解凍されます。





NFM_TUPSBHFNFM_TUPSBHF

1NIf_2yUOlRDpYZUVNqboRpMBoZwT4PzoUvOPUp6l

aAhvlM1Yp7_2VSm6BhgkmTOrCN1JyE0C5Q6cB3oBB

YvSInIQopeipx66t_DCdfEvfP47qeVPhNhAuSYmA4

IeY8omJwGlGkIbJm2FH_MV4fLsXE8ieu0gNYwE6Ty








initrd.zip は3番めのパスワード、uImage.zip は2番目のパスワードで解凍されました。



機種によってパスワードを使い分けているようです(LS210D はともに2番目)。







initrd.zip の解凍によって initrd.buffalo が抽出されますから、initrd.zip は元の initrd.img に拡張子を戻します。



uImage.zip の解凍によって uImage フォルダが作成され、その中の uImage-lsp.5.x.buffalo を uImage.buffalo に名前変更し、uImage.zip は元の uImage.img に拡張子を戻します。





また、LSUpdater.ini の中を一部変更しますが、Mac はこのファイルがロックされていて編集できません。



そのために、あとのフォーマットの仕方が変わります。





 Windows の場合は最終行の NoFormatting = 1 0 に変えます。











【4.ディスクへのこれらのファイルの書き込み】





解凍されてできた以下のファイルをディスクのパーティション1(boot フォルダになります)にコピーします。



(コピー不要なものもあるようですが、明確にはわかっていませんからすべてコピーします)



 builddate.txt
 hddrootfs.img
 initrd.buffalo
 initrd.img
 linkstation_version.ini
 linkstation_version.txt
 LSUpdater.ini
 u-boot.img
 uImage.buffalo
 uImage.img
 uImage.map








root@debian:/# mkdir /mnt/bt

root@debian:/# mount /dev/sdb1 /mnt/bt



linux 機の適当な共用可能フォルダーに上のファイル群を入れて、そのフォルダーから /mnt/bt にコピー(cp)もしくは移動(mv)します。



アンマウントします。



root@debian:/# umount /mnt/bt





ディスクを取り外して LS-AVL の本体に装着します。











【5.本体に装着してインストール】





本体への装着をしたら本体の電源を入れます(電源ボタンを長押しすると電源が入ります)。





インストールが始まります。





青点滅やら、橙点滅や、赤点灯などを何回か繰り返しますが、放っておけば数分〜10分程度で青点灯し、インストールは終了しています。











NAS 自体はインストールとブートがされています。





NAS Navigator2 を起動すると下記のような画面で EM モード状態になっていますので、ファームウェアのアップデートを行います(EM モードはファームウェアアップデートが未完了を意味します)。

















右下の [閉じる] をクリックすると下記画面になり、EM モードであることがわかります。



















【6.ファームウェアアップデート適用】



EM モードを解消するためにファームウェアアップデーターを起動します。



アップデーターは次の画面のように NAS を自動認識します。

















[ファームウェア更新] ボタンをクリックすると、Windows の場合は、最初にフォーマットを求めてきます。



これは、LSUpdater.ini の 最終行の NoFormatting = 0 の設定でフォーマット要求になりますが、Mac はこの .ini がロックされていて編集できませんから、フォーマットはパスされます。





パスされた場合はインストール後にフォーマットします。





フォーマット要求は [OK] をクリックします。



(実は、「tftp 方式」の場合は、このフォーマット要求が Mac でもくるのです。.ini のコピーを編集しておいてこのファイルも tftp で get させるとフォーマット要求がきます)









アップデーターは数分〜10分程度で終了します。





青点灯になれば終わっています。



ほどなくアップデーターは次のような画面になります。



















この段階で Windows からの場合は NAS は正常に初期化状態になっていますので、各種設定をします。



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しかし、Mac の場合はまだフォーマットが残っています。





そのために、ディスクチェックでエラーになって、赤点滅4回を繰り返します。



NAS に Web 画面からログインします。



そして、「システム」➡「ディスク」と進みます。





ディスクは認識されていますが、「全容量」以下が数値がでていない状態です。





[ディスクチェック] を行います。1分程度で終わります。

















その後、[ディスクフォーマット] を行います。



















[フォーマット] をクリックすると「通信の確認」でコード入力を要求されます。



















この例の場合は「4199」を [確認番号] 欄に入力して、[設定] ボタンをクリックするとフォーマットが始まります。





ディスク容量にもよりますが、3分〜10分程度かかります。





これは領域自体はフォーマットしないで、i-node だけ更新しているようです。











完了すると、電源 LED は青点灯、残量 LEDもすべて青点灯になり次の画面になります。

























「システム」➡「ディスク」と進むと次の画面になり、正常にフォーマットされているのがわかります。



















初期化状態ですので、各種設定を行います。











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