2019年11月30日土曜日

USB-C という形状と規格(速度)と、Thunderbolt を混同しないための忘備録

USB-C という形状と規格(とくに転送速度)と、Thunderbolt の形状・規格(速度)は混同されやすいかもしれません。





私自身も正しく理解するために忘備録として整理してみました。







「USB-C = USB 3.1」ではありません。



もちろん「USB-C = USB 3.0」でもありません。



さらに「USB-C = USB-PD(電力供給)」でもありません。







USB-C というのは単に形状を表しているだけで転送速度などの「規格」を表すものではないからです。









Thunderbolt 3 もまた、接続するためのプラグの形状が USB-C と同じなので混同されやすい。







USB-C という「形状」を使った「規格」に種類があることも正しく理解されていないのではないでしょうか。







正しく理解しないと、規格で期待した速度にはならないという結果を招くことになりかねません。









USB-C の形状をしていても、いま現在そこには次の 3つの規格が存在しています。



まだ増え続けるようです。



すでに USB 3.1 Gen3(20 Gbps ?)が議論されているようですし、USB 4.0 で Thunderbolt 3 と両者を統合する、ということもあるようです。




  • Thunderbolt 3       :40 Gbps



  • USB 3.1 Gen2       :10 Gbps



  • USB 3.0(= USB 3.1 Gen1): 5 Gbps






とくに USB 3.0 は USB 3.1 Gen1 というのが新しい表現(これもすでに「旧名称」)なので余計にまぎらわしい。





USB-IF(USB Implementers Forum)が 2019/02 に新名称を発表したとかで、余計に混乱します。



  元名称    USB3.0

  旧名称    USB3.1 Gen1    USB3.1 Gen2    USB3.1 Gen3 ???

  新名称    USB3.2 Gen1    USB3.2 Gen2    USB3.2 Gen2x2

  最大転送速度   5 Gbps       10 Gbps       20 Gbps

  type      USB-A & C      USB-A & C     USB-C のみ









現状はまだ、「USB3.2」は実際には使われていないようですが、どうなるのでしょうか。







ここで "Genx" は「世代」を表しており "Gen1" は第1世代ということです。







"USB-C" というのは単に「形状」表しているだけですので、規格を正しく表記するには「USB 3.0(=USB 3.1 Gen1)」とか「USB 3.1 Gen2」としなければ規格まで表現したことにはなりません。





ついでに bps と byte に関して 8bps = 1byte/s ですので、10 Gbps というのは 1.25 GB/s ということと等価です。







インタフェースの仕様上の速度(黄色の線)と実質的な最大速度(緑色の線)は、次のようになります。





ディスプレイについては必要帯域を示しています。



1080 P は USB 3.0 でも表示可能ですが、4K / 5K は Thunderbolt 3 以外は表示不可です。





















SSD (PCIe NVMe) 接続がダントツに速いのがわかります。



これは各インタフェースに最適な機器・ケーブル接続時の数字ですので、その点を誤解のないように見ていただきたいと思います。

















ややこしいのは Thunderbolt 3 ポートが USB 3.1 Gen2 を兼ねていることです。





Thunderbolt 3 ポートは Thunderbolt Alternate Mode に対応した USB-C ポートです。







ポートにもケーブルにも「雷マーク」が付いたものが Thunderbolt 対応です。









Alternate Mode というのはほかの信号を扱う仕組みで、USB 3.1 Gen2 はこの「ほかの信号」です。





Thunderbolt は PCI Express と Display Port を基盤としたシリアルバスインタフェースで、Apple とインテルが共同開発した技術です。





Thunderbolt 3 ポートに USB-C 形状の Thunderbolt 3 ケーブルで Thunderbolt 3 対応の M.2 NVMe SSD を接続の場合、PC の認識は NVM Express 接続の認識です。





つまり、内臓 NVMe インタフェースに SSD を挿し込んだのと等価です。





実際は間に機器・ケーブルがありますので直接に挿し込んだ場合よりも少し速度低下すると思われます。





ASCII でチェックされた WDS100T3X0C-EC の速度に比して 10 数 % 程度の速度ダウンになっているようですが、それでも爆速です。











Thunderbolt 3 ポートは Alternate Mode で次の 3つの信号を扱えます。




  • Thunderbolt 3

  • USB 3.1 Gen2

  • Display Port(5Kまで対応可)




そしてどの信号で転送を行うかは接続機器とケーブル仕様によります。







つまり Thunderbolt 対応機器・ケーブルでなければ Thunderbolt 3 に接続したことにはなりません。















少し古い Mac の場合、miniDP 形状のケーブルで Thunderbolt 1 接続する、ということをしていました。





例えば MacBook Air Mid 2012 は サブディスプレイ 接続する場合、Thunderbolt 1 ポートに miniDP 形状の HDMI 変換ケーブルで接続です。









Apple は Thunderbolt 1, 2 を扱うことをやめて、インテルと共同開発した Thunderbolt 3 を USB-C で扱うようにして現在に至っています。
























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